「白い悪魔」より「赤い彗星」の方がモテる。
前回の文章では白い悪魔と赤い彗星の説明から、同じ事柄でもガンダム型とシャア専用ザク型という表現によって、わかりやすさが変わることを語った。
この2つの表現の仕方は比較対象がいるかいないかということに注目したが、比較対象がいるということはそれだけ数も多いということだ。
拡大解釈をするとわかりにくいのは少数派であり、わかりやすいのは多数派ということができる。
マッチングアプリには男女問わず、何百万人も登録者がいる。
しかし、大体は同じようなことを趣味としており、同じような自己紹介文を書いている。
もはや、そこには個性などというものは存在しない。
それこそ、見た目くらいしか違いがないのだ。
ならば、多数派というテンプレートに則った自己紹介の方が万人受けしやすいのは明らかである。
筆者は何百という女性とミスマッチを繰り返し、十数人の女性とマッチングした。
その経験からはっきりと言えることがある。
とりあえず、カフェ巡りが好きと言っとけ。
驚くほどにこれを趣味と設定している女性が多い。
あまりにも多いので、裏でこっそり話し合ったのか疑うレベルである。
また、趣味がない女性の大半はおいしいものを食べるのが好きと言う。
筆者もおいしいものは好きだ。
なぜなら、食べるなら不味いものよりおいしいものがいいに決まっている。
1+1=2並みに当たり前の話だ。
さて、男性の諸君がまず行うべきことはカフェ巡りを趣味に登録し、コーヒーか紅茶(両方を飲めるとより良い。)を飲めるようにすることだ。
これが男性の場合だと音楽鑑賞と映画鑑賞になる。
現代日本において、普通に生きていれば、好きな音楽や映画の一つくらいはある。
つまり、あらゆる人にとって、音楽鑑賞と映画鑑賞は趣味である。
それをわざわざ書くのは他に趣味がないからだろう。
次に注意点である。
女性はマニアックな知識を求めていない。
仮にあなたが気になる女性がアニメを趣味に登録していたとする。
そのような女性が観ているのは「鬼滅の刃」か「呪術廻戦」みたいな万人受けするアニメであり、深夜枠のディープなアニメを熱く語るとキモいで終わる。
マニアックな知識とはガンダムみたいなものであり、女性が求めているのはザクである。
それがシャア専用ザクなら、なお良し。
売れているものが良いものなら、世界一のラーメンはカップラーメンだよ。
これはTHE BLUE HEARTSのボーカルである甲本ヒロトの言葉であり、物事の本質、本当に良い物とは何かを考えさせられる一言である。
しかし、少なくともマッチングアプリ内では多数派が善であり、少数派は悪だ。
各々が持つガンダムのような趣味はまとめて、燃えるゴミとして捨てるか厳重な箱に閉まって、押入れの奥に封印しておくことをおすすめする。
時が来たら、新たな趣味を見つけるも良し、封印を解くのも良いだろう。